角川インターネット講座 (1) インターネットの基礎情報革命を支えるインフラストラクチャー
角川インターネット講座 (1) インターネットの基礎情報革命を支えるインフラストラクチャー [単行本]
村井 純
KADOKAWA/角川学芸出版
2014-10-24


インターネットの歴史はいつから始まったのか?本書「インターネットの基礎」の著者村井純さんによると、インターネットの源流であるARPANET(アーパネット)というネットワークとUNIX(ユニックス)というオペレーティングシステムが出会ってインターネットが生まれた。それが40年前であり、「歴史はまだとても短い」ということだ。

確かに人類の長い歴史を考えれば、40歳のインターネットはまだ誕生したばかりだ。しかし今や欠かせないインフラとして空気のように我々の生活に溶け込んでいるインターネットは、ずっと以前から人類と共にあったかのような錯覚を覚えることもある。

しかし歴史は短くても「デジタル機器のコストは指数関数的な勢いで安くなる」ため、インターネットが「地球全体にいきわたり」「人類全員が参加する」のは、もはや遠い未来のことではない。従ってこれからの社会を考えるためには「人間がみなインターネットに参加する」ということが大前提になるというのが本書のスタンスだ。

インターネットは「デジタル情報時代の印刷技術」と呼ぶこともできる。それは「デジタル情報をTCP/IPという通信方法を使って伝搬する」ということであり、必然的にフリー(無料)プラットフォームになっていく。そうすると「世界でひとつの、人類すべてに共通のネットワークを通じて、人類の知を共有すること、感覚を共有すること」がインターネットの重要な役割になっていくと村井さんは考える。 

人類の歴史と比べてインターネットの歴史はあまりにも短いが、その発達のスピードがおそろしく速いため、我々は半世紀あまりでその完成形を目前としているのかもしれない。 しかしインターネットはこれから本当に始まるとも言える。もはや「インターネットを考えること」はほとんど「人類の未来を考えること」に等しいと認識しなければならない。

70億人以上の生活がインターネットによりどう変わるのか?その結果どのような社会が実現されるのか?あらゆる思考をそこからスタートさせないといけない。

インターネットの本質は「デジタル情報を前提にしている」ことと「国という枠組みを超えるグローバルな世界をつくれる」ことであると村井さんは定義する。特に目新しくもない当たり前に聞こえる定義だが、実はその本質はまだ理解されていないという。

なぜかと言うと「インターネットを学ぶ」ということは、「いままで存在しなかったことを理解する」ことだからと村井さんは言う。どういう意味だろう?そのヒントが本書にある。本書から始まる「角川インターネット講座」全集は「インターネットというテーマで未来を考える」ための「知の体系」を提供しようとする壮大な試みである。