ゴスロリ幻想劇場―大槻ケンヂ短篇集
大槻 ケンヂ
インデックスコミュニケーションズ
2005-12


大槻ケンヂの「暴いておやりよドルバッキー」というエッセイ集に「正月は大槻ケンヂ短編集ゴスロリ幻想劇場でどや」というエッセイが収録されている。ゴスロリとはゴシック&ロリータの略であるが、その発祥地はキリスト教文化圏ではなく、我らが日本であるそうだ。日本の少女たちがゴシックとロリータの要素をミックスさせたファンションが、いわゆるゴスロリなのだという。

大槻ケンヂ(オーケン)によれば、ゴシック+ロリータ=ゴスロリというのは、言ってしまえば「仮面ライダーV3のゲルショッカー怪人みたいな発想」とのこと。(ゲルショッカーとはショッカーとゲルダム団が手を組んで生まれた)。ちなみに三菱東京UFJ銀行も発想は同じだそうだ。

オーケンはゴスロリ少女が大好きだと各所で公言し、自分のバンドでも「ゴスロリGO!!」と連呼する唄を作っていたら、ゴスロリ専門誌「ゴシック&ロリータバイブル」というゴスロリ専門誌からゴスロリを絡めた小説連載の依頼がきた。



ところがオーケンは弱ってしまった。「読者のニーズが読めなかった」からだ。読者が好きなのはゴスロリというファッションであるが、オーケンが好きなのはゴスロリを着た女の子なのだ。オーケンはこの葛藤を次のように例える。

「ゴジラで言えばゴジラそのものが好きなマニアと、ゴジラの中の薩摩剣八郎に興味を持つマニアとの違いに匹敵すると言えよう」

悩み苦しんだオーケンは「ゴスロリのコばっかりいるファッションヘルスの話」を書くことにしたのだが、「発売と同時に読者から猛抗議が殺到」してしまった。例えば次のような苦情である。

「ゴスロリを汚すな!」
「このエロオヤジ!」

オーケンはゴスロリを汚すつもりは全くなかったが、「このエロオヤジ!」との意見には「身に覚えがなくもないのでグーの音も出なかった」という。

そんな連載を単行本としてまとめたのが本書「ゴスロリ幻想劇場」である。オーケンによれば「怪奇、狂気、愛、さらに”ゴスロリちょっといい話し”とでも呼ぶべき泣ける話しも沢山」とのこと。ゴスロリファッションが大好きな女の子も、ゴスロリ少女が好きな人も、どっちも楽しめるオーケンの自信作です。もし面白くなかったら「ゴスロリを汚すな!」「このエロオヤジ!」という抗議をしてください。


ゴシック&ロリータ幻想劇場 (角川文庫)
大槻 ケンヂ
角川グループパブリッシング
2009-01-24

ゴシック&ロリータ幻想劇場 (角川文庫)
大槻 ケンヂ
KADOKAWA / 角川書店
2015-03-10


(注)本記事は大槻ケンヂ「暴いておやりよドルバッキー」に収録されたエッセイを参考にして書かれたものです。

暴いておやりよドルバッキー (角川文庫)
大槻 ケンヂ
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-03-25

 
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